いまの学校は「オワコン」。近代資本主義にあわせて、労働者を大量生産するために作られたこれまでの学校の形は、いまの社会では役に立たない終わったコンテンツになっていると指摘する、今週の講師、日野田直彦さん。またいま日本の学校は内部に様々な問題を抱えています。特に「ブラック」と表現される職場環境や教員のなり手不足は深刻で、このままでは学校教育そのものの存続自体を危ぶむ声も出ています。教育を通して、社会を変革することを目指し、学校を変えるべくさまざまな取り組みを続ける日野田さんは、このニッポンの学校をめぐる問題、どう考えているのでしょうか。未来授業4時間目。テーマは「狭き門より入れ」◆日野田 直彦(ひのだ・なおひこ)千代田国際中... more
「日本で一番、学校説明会に人が集まる校長」、今週の講師 日野田直彦さんが校長や学園長を務める学校は、実際、毎年のべ1万人以上の親子が説明会に参加するほどの人気だと言います。その人気の理由の一つが、数多くの学生を海外の大学に送り出してきた日野田さんの実績。塾に行っているわけでもなく、海外生活の経験もなく、家庭に経済力がなくても、学生を海外の大学に進学させてきたことが高い評価を受けています。「目的は、海外の大学に進学させることではなく、あくまで選択肢を広げること」。一方でいまの時代は、学生が海外を目指す「大きなチャンスの時代」だと話します。未来授業3時間目 テーマは「海外の大学という選択肢」◆日野田 直彦(ひのだ・なおひ... more
「日本で一番、学校説明会に人が集まる校長」、今週の講師 日野田直彦さんが校長や学園長を務める学校は、実際、毎年のべ1万人以上の親子が説明会に参加するほどの人気だと言います。倒産寸前だった学校経営をV字回復させ、定員割れしていた学校を人気校に押し上げ、そして数多くの学生を海外の大学に送り出してきた日野田さん。その手腕は海外からも注目を集め、海外の大学の入試担当者が「日野田の教え子が欲しい」とアクセスしてくることもあるとか。日野田さんがかかわる学校ではいったい、どんな教育が行われているのでしょうか。未来授業2時間目 テーマは「目的意識とオーナーシップ」◆日野田 直彦(ひのだ・なおひこ)千代田国際中学校校長。1977年大阪... more
「日本で一番、学校説明会に人が集まる校長」、こう呼ばれているのが今週の講師・日野田直彦さん。大学時代から日本の教育を変えることを志し、塾講師、社会科の教員などを経て、大阪府立箕面高校の校長に民間人校長として就任。地域の4番手だった高校を海外の大学に多数進学する学校に改革して注目を集めました。2018年以降は、東京・武蔵野大学中学校・高等学校、千代田高等学校、千代田国際中学の校長や理事長を務め、倒産寸前だった学校経営をV字回復させ話題に。そんな日野田さんが目指すのは「教育を通して、社会を変革する」ということ。そして、いまの日本の学校が置かれている状況をあるネットスラングで表現しています。未来授業1時間目。テーマは「日本の... more
2012年、東日本大震災の津波被害を受けた石巻市の缶詰工場を追いかけたドキュメンタリー作品で監督デビュー。海外の映画祭でも高い評価を受け、30代後半と遅咲きながらドキュメンタリー監督として独立を果たした岸田さん。ドキュメンタリーの手法を取り入れた広告制作と、自ら取材して伝えるジャーナリズムとしての仕事を両輪に、日本はもちろん世界を飛び回っています。そしていま、岸田さんは、数年かけて取材してきたテーマを長編ドキュメンタリー映画として、発表しようとしています。未来授業4時間目 テーマは「リ・スタートアップ」◆岸田浩和京都市生まれ。2012年発表の短編「缶闘記」で監督デビューし、5ヶ国8箇所の映画祭に入選。Yaho... more
2012年、東日本大震災の津波被害を受けた石巻市の缶詰工場を追いかけたドキュメンタリー作品で監督デビュー。海外の映画祭でも高い評価を受け、30代後半と遅咲きながらドキュメンタリー監督として独立を果たした岸田さん。その後は、自ら制作会社を立ち上げ、ドキュメンタリーの手法を取り入れた企業CMやプロモーション映像の制作という新しいジャンルにも乗り出し、「映像を作る仕事」は、軌道に乗ったといいます。ただ、本来やりたい仕事は、光の当たらない人たち、知られざるストーリーを取材してドキュメンタリーを作ること。岸田さんがそんな想いに立ち返った頃、海の向こう・台湾で大きな出来事が起こりました。未来授業3時間目 テーマは「それは取材か... more
大学を卒業後、会社員としての生活をするなかで、学生時代の友人に言われた「岸田、おもしろくなくなったな」という一言。これをきっかけに、「取材をする仕事」を目指したという岸田さん。会社員を続けながらライタースクールに通い、記者になる道を模索するのですが、年齢35歳で、「未経験」の岸田さんを受け入れてくれるメディアはなかったといいます。そうした中で起きたのが、2011年の東日本大震災。とにかく被災地/東北へ行こうと考えた岸田さんは、記者をしている大学の先輩に、同行する形で被災地へ。そこで初めてカメラを回し、被災した人々にレンズを向けたといいます。宮城県石巻市で、1年近く取材を続け、初めてのドキュメンタリー作品を発表し、高い... more
ドキュメンタリー監督 岸田浩和さん。ノーナレーションの手法でまとめた岸田さんの作品は、様々な映画祭で高い評価を受けています。また、ドキュメンタリーの手法を取り入れた企業広告やプロモーション映像も数々制作しています。岸田さんがカメラを手に初めて「取材」という活動をはじめたのは、実は30代後半。かなり「遅咲き」です。今週は、遅咲きのドキュメンタリー監督・岸田さんが映像の世界に飛び込んだきっかけと、世界の取材エピソードを伺っていきます。未来授業1時間目。まずは、それまで普通の会社員だった岸田さんが、カメラを手にすることになった理由から。テーマは「おもんない、と言われて」◆岸田浩和京都市生まれ。2012年発表の... more
未来授業、今週の講師は、ジャーナリストの内田洋子さん。20 代でイタリアに渡り、通信社を立ち上げて、現地のニュースや情報を日本に配信。また、ニュースからこぼれた人々の暮らしをエッセイに綴ってきました。イタリアの小さな村の「本の行商人」に光をあてた作品では、外国人としてはじめて、“イタリア版の本屋大賞”を受賞しています。―日本人の知らないイタリアを伝えたい。―心を開いて、話を聞かせてくれた人の気持ちに応えたい。イタリアでの活動はすでに40年を超えました。未来授業4時間目、テーマは『祖国とは国語である』◆内田洋子1959年、兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社ウーノアソシエイツ代表... more
未来授業、今週の講師は、ジャーナリストの内田洋子さん。イタリア暮らしは40年以上。自ら通信社を設立し、現地のニュースや情報を日本に届けてきました。現代のイタリア社会が抱える葛藤も、つぶさに観察してきました。ジェンダーバイアスの問題。高い失業率。移民政策。治安の悪化。社会の断絶。「陽気なイタリア」というイメージからは想像できない社会のひずみをいま目の当たりにしています。未来授業3時間目、テーマは『イタリアのリアル、広場に降りる』◆内田洋子1959年、兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社ウーノアソシエイツ代表。欧州と日本間でマスメディア向けの情報を配信。2011年、『ジーノの家 イタリア... more
未来授業、今週の講師は、ジャーナリストの内田洋子さん。イタリア暮らしは40年以上。現地のニュースや情報を日本に届ける通信社を長年切り盛りしてきました。ニュースからこぼれたイタリアの素顔は、内田さんの精緻な文章で極上のエッセイに。代表作「ジーノの家」は日本エッセイスト・クラブ賞などを受賞しました。イタリアと聞くと、陽気な国民性をイメージする人が多いかもしれません。でも、内田さんの作品に登場するのは、切なく、ときに悲しい、イタリアの「普通の人々」の姿です。未来授業2時間目、テーマは『イタリアの光と影、泣かないために笑う』◆内田洋子1959年、兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社ウーノ... more
未来授業、今週の講師は、ジャーナリストの内田洋子さん。イタリア暮らしは40年以上。自ら通信社を設立し、現地のニュースや情報を日本に届けてきました。内田さんの取材の極意は、「自分で現場に行き、自分の目で確かめること」。気に入れば、そこに住んでしまうこともあります。一方、ニュースにはならないこぼれ話を、内田さんは精緻な文章で、極上のエッセイに仕立ててきました。最新刊は「イタリア暮らし」。未来授業1時間目、テーマは『足で稼ぐ、懐に入る』◆内田洋子1959年、兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社ウーノアソシエイツ代表。欧州と日本間でマスメディア向けの情報を配信。2011年、『ジーノの家 イ... more
今週の講師は、電通サイエンスジャムの主席研究員、荻野幹人さん。荻野さんのチームは、脳とコンピューターをつなぐ技術「BCI(ブレーン・コンピューター・インターフェース)」の研究開発を行い、脳波を測定することで自分の伝えたい意思を選択する機器「NOUPATHY(脳パシー)」を開発。全身の筋肉が動かなくなる難病ALS患者の大きな希望となっています。音に対する脳の反応で、意志や考えを伝えることができる「NOUPATHY」。その仕組みとはどんなものなでしょうか。未来授業2時間目、テーマは 『脳パシーの仕組みと開発の壁』◆荻野幹人(おぎの・みきと)電通サイエンスジャムの主席研究員ノウパシー開発者ニューロサイエンティスト 脳... more
今週の講師は、電通サイエンスジャムの主席研究員、荻野幹人さん。荻野さんが取り組むのは、脳とコンピューターをつなぐ技術「BCI(ブレーン・コンピューター・インターフェース)」の研究。考えるだけで自分の意志を他人に伝えることができたら、その技術は全身の筋肉が動かなくなる難病ALS患者にとって大きな希望となります。荻野さんの研究チ―ムは、脳波を測定する機器を「テレパシー」をもじって「NOUPATHY(脳パシー)」と名付けました。未来授業1時間目、テーマは『脳とコンピューターをつなぐ技術、ブレーン・コンピューター・インターフェース』◆荻野幹人(おぎの・みきと)電通サイエンスジャムの主席研究員ノウパシー開発者ニューロサイ... more
ユネスコの無形文化遺産に登録された「風流踊」。これは日本各地で古くから伝わる盆踊りをはじめとした地域の民間芸能のこと。ただ「盆踊り」は、こうした古い歴史を持つものばかりではないそうです。例えば「東京音頭」は、関東大震災からの復興ソングとして生まれたもの。「ドラえもん音頭」など、アニメの盆踊りソングは高度経済成長期、東京など都市部で新たなコミュニティが作られ、みんなで踊れる共通の盆踊りが必要だということで生まれたと言われます。北海道のよさこいソーラン、高円寺の阿波おどりも、歴史はまだ数十年。ではその先の盆踊りはどうなるのでしょうか。未来授業4時間目。テーマは「進化か 原点回帰か」◆柳田尚也(やなぎた・ひさや)盆踊りの総... more
去年11月、ユネスコが盆踊りをはじめとした、各地に伝わる日本の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録することを決定しました。2020年から続いた新型コロナによる行動制限の影響で全国各地の盆踊りも苦境に立たされていましたが、無形文化遺産の登録というニュースは全国の関係者に大きな希望を与えたと言います。ちなみに、このニュースが飛び込んできたのはサッカーワールドカップの真っ最中。森保ジャパンの快挙に日本中が沸き立つなか、盆踊り関係者の方々はもうひとつの日本の快挙に沸き立っていたという事実はあまり知られていません。未来授業2時間目。きょうはこの快挙の理由を柳田さんに詳しく解説してもらいます。テーマは「日本人の美意識... more
去年11月、ユネスコが盆踊りをはじめとした、各地に伝わる日本の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録することを決定しました。登録されたのは岐阜県の郡上おどりをはじめ、24都府県の合わせて41件の伝統芸能。東京で古くから伝わる踊りも3つ含まれています。柳田尚也さんはそんな日本各地の盆踊りの魅力に引き込まれ、自ら全国の会場へ足を運び、実際に踊り、独自に研究を重ねてきた方。これまでにのべ百箇所を超える盆踊りを訪れています。今週はそんな柳田さんが愛してやまないニッポンの盆踊りの魅力、ユネスコ無形文化遺産 登録の意義や課題を伺っていきます。未来授業1時間目。テーマは「岐阜県 郡上八幡の徹夜踊り」◆柳田尚也(やな... more
街を行く人々に質問をぶつけ、そのこたえや戸惑い、表情を見聞きすることで本当の心の内を探るドキュメンタリー番組『日の丸』。1967年に放送されたその手法を極力再現していったのが、佐井監督手掛ける映画、『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』です。当時、街の声はテレビで放送されれば、その場で消えていきましたが、現代では、SNSですぐに発信され、いつまでもネット上に残る時代になりました。未来授業4時間目、テーマは『デジタル時代のアーカイブとは?』。◆佐井大紀(さい・だいき)1994年4月9日生まれ、神奈川県出身。2017年TBS入社。ドラマ制作部所属、「Get Ready!」「階段下のゴッホ」など連続ドラマのプロデューサーを務め... more
1967年に放送されたTBSテレビのドキュメンタリー番組『日の丸』。東京オリンピックが終わって、数年後には万博が開かれる。ベトナムでは戦争が続き、大人たちに声を伝えるべく始まった学生運動は激しさを増していく。半世紀前と似ているようであり、異なるシチュエーションもある今の日本で、佐井監督は当時と同じく、ひたすら街頭インタビューをするという手法を用いて映画を作りました。未来授業3時間目、テーマは『茶化せば処刑という自縄自縛』。◆佐井大紀(さい・だいき)1994年4月9日生まれ、神奈川県出身。2017年TBS入社。ドラマ制作部所属、「Get Ready!」「階段下のゴッホ」など連続ドラマのプロデューサーを務める傍ら、202... more
2月11日が建国記念の日になった1967年。日本という国のあり方について、様々な意見が交わされるようになっていました。そんな時代に放送された、寺山修司によるドキュメンタリー番組『日の丸』。街頭で質問を浴びせかけるスタイルは、おおいに挑発的であり、時の政権からは、偏向番組として問題視もされました。当時の番組と同じ手法を用いた佐井大紀監督による映画、『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』。どんな現場だったのでしょうか?未来授業2時間目、テーマは『寺山修司の手法でみえた、現代の日本』。 ◆佐井大紀(さい・だいき)1994年4月9日生まれ、神奈川県出身。2017年TBS入社。ドラマ制作部所属、「Get Ready!」「階段... more
ラジオにテレビ、そしてネット上で日々伝えられる世論。その意見は、時に大きなうねりとなり、社会に大きな変化を及ぼすこともあります。では、もしあなたが街頭で、突然こんなことを聞かれたらどうするでしょう?「あなたは、日の丸と言われたら何を思い浮かべますか?」今から半世紀以上前の1967年。劇作家の寺山修司が構成を担当したTBSテレビのドキュメンタリー番組『日の丸』が放送されました。この番組で用いられた、街頭でひたすら問いかける、という手法を踏襲し、現代の作品に仕上げた若きテレビマンは、何を見たのか、探っていきます。未来授業1時間目、テーマは「令和の“日の丸”を作ったワケ」。◆佐井大紀(さい・だいき)1994年4月9日... more
今週の講師、小川哲さんが大きく注目されたのは、2017年に出版された小説『ゲームの王国』でした。カンボジアの現代史をベースにしたこの小説は、日本SF大賞を受賞。また今回、直木賞を受賞した『地図と拳』も、綿密な取材をもとにしつつ、随所にSF的な要素がちりばめられています。未来授業4時間目、テーマは『SFとは何か?』。◆小川哲(おがわさとし)1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。『ゲームの王国』(2017年)が第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。『地図と拳』(2022年)で第168回直木賞... more