売春は世界で最も古くからある職業の一つだと言われています。アムステルダムでもその歴史は何世紀も遡ります。全体的に、オランダにおける売春の発展は他のヨーロッパの国々と大体似ていますが、その結果には著しい違いがあります。中世では売春に対する意見は二つの側面がありました。一方では市民コミュニティに属する純潔な女性を守るために売春が必要不可欠とみなされ、他方では誇りを捨てた女性の完全に 不道徳な職業とみなされていました。16世紀には、売春に対する見解はプロテスタントの影響によりかなり厳しくなりました。しかし、その後は道徳観が緩くなり、公式には禁止されていたものの、実際にはアムステルダムの売春は繁栄していました。当初は売春宿が一般的でしたが、賭博場やミュシコへと変わっていきました。こうした施設は、客が女性との会話を楽しんだり踊ったりする、豪華で華麗な場所になったのです。19世紀初めは、より厳しい大衆道徳とナポレオン が登場しました。ナポレオンは、フランスや占領国に売春規制制度を導入しました。そのため、ここオランダでは売春婦は警察への登録と週1度の健康チェックが義務付けられました。しかし、ナポレオンがいなくなると共に、これらの規制もなくなりました。その後の19世紀の間、売春は奴隷や女性の搾取、女性の権利侵害と見なされるようになりました。様々な社会において、女性を売春から守るべきと考えられるようになったのです。しかし、この業界で働く女性の中には、そういった救済を望まない女性たちもいました。この議論はしばらく続きましたが、20世紀までには、売春の規制は事実上なくなりました。20世紀を通じて、売春はますます公のものになり、2000年には売春宿の禁止が撤廃され、売春が完全に合法化されました。
Photo Joachim Beuckelaer - Brothel - Walters 371784 by Joachim Beuckelaer is licensed under public domain
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