それは、「与えられる」から「創り出す」ものづくりへの転換でした。
すると、一人ひとりの個性的な創作活動が大きく花開いていきました。
白いシャツにびっしりと隙間なく刺繍がほどこされた作品。
野間口桂介さんの作品一針一針糸を重ね、縫い、また重ね…実に4年もの歳月をかけて生まれた作品です。
その作品の放つ存在感が、ファッション界のクリエーターたちの心を動かしました。
最先端のファッション雑誌の紙面を飾ったこの女性は、色とりどりの短い糸をぐるぐる巻きにして、何かの塊を作り続けています。
中にビーズやボタンを押し込んで、また丸めていく…
これが彼女独自の創作スタイルです。
職員とのコラボによって、こんなユニークな立体オブジェが生まれました。
溝口ゆかりさんの作品「針一本で縫い続ける」という行為から生みだされる「ヌイ・プロジェクト」の創作活動はその高い芸術性が、工芸や現代アートの世界から評価されています。
ヌイ・プロジェクトから生まれた作品個室で黙々と布と糸を繋いでいる人がいました。
細かく刻んだ布の端を一針一針縫い、それを糸で繋いでいくという気の遠くなるような仕事をもう何年も続けています。
自分の内にあるルールに従った終わることのない手仕事。
この人だけの静かな時間が流れています。
「変わることのない仕事から生み出されるこの空間そのものが美しいアートだ」として、東京都美術館でこの場が再現されました。
何のために、なぜそうしているのか、それは分かりません。
外の世界の制約に左右されず、揺るぎなく自分スタイルを貫いている表現が、自己をありのままに表現するというアートの根源的な力と本質を魅せてくれているというのです。
半年以上かけて刺繍がほどこされた作品生み出される「原石」を生かし、プロデュースしているのが、支援スタッフです。
支援スタッフがプロデュースし、社会と繋ぐその道の専門家はいません。共に、手を動かし、体を動かしながらの協働作業です。
「原石」の可能性を信頼し、対話しながら、職員である支援スタッフもまた同じ表現者として、挑戦を続けています。
原画をTシャツに刺繍をバッグに和紙にペイント原画をバッグに自分のリズムとスタイルを守りながら続けられているものづくり。
その中で生まれてくる「ありのままの自己表現」は、ほんとうに多様で個性的です。
作品の数々が園内のクラフトショップに並ぶ作品の数々が園内のクラフトショップに並ぶ
そして、その一つひとつが命をもった生きもののように感じられてきました。
次回は、ものづくりを支えているものについてお伝えします。
天使たちが結んだ出会いものがたり 「工房しょうぶ」を訪ねてシリーズ1 >>
天使たちが結んだ出会いものがたり「工房しょうぶ」を 訪ねてシリーズ3 >>
■ Omni House(クラフトショップ、地域交流アートスペース)
open 10:00~17:00
close 月・火曜日(水~日オープン)
■ Sギャラリー(障がい者の芸術活動をサポートするアートギャラリー)
open 10:00~17:00
■ パン・菓子・ポンピ堂
open 11:00~16:00
close 月・火曜日(水~日オープン)
■ カフェ&パスタOtafuku
open 11:00~17:00
close 月・火曜日(水~日オープン)
■ そば屋凡太
open 11:00~15:00
close 月・火曜日(水~日オープン)
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投稿 「工房しょうぶ」を訪ねてシリーズ2 ありのままでいること は てのん(かごしま・人ものがたり) に最初に表示されました。
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